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学校給食を無償化するメリット・デメリットとは?スムーズな集金方法を解説

公開日:2021.09.22 更新日:2023.10.05

学校給食を無償化するメリット・デメリットとは?スムーズな集金方法を解説

日本では給食を無償で学童に提供できていない状況があります。給食費の無償化が実施されないだけでなく、給食費の滞納が問題になっていることを知っているでしょうか。この記事では日本で給食費の無償化ができない理由を解説します。その状況を踏まえて、集金代行サービスによる給食費のスムーズな回収方法を紹介するのでぜひ参考にしてください。

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1.日本の小学校の給食費無償化の実態とは?

日本の小学校と中学校は義務教育なので授業料や教科書は無料になります。しかし、一部の自治体を除き、学校給食費は無償ではなく、小中学校に子供を通わせる際に支払わなければなりません。各自治体によって多少の違いがあるものの、毎月5,000円前後の金額が徴収されます。
苦しい家計をやりくりするときには食費がよく着目されますが、給食費は所得に関係なく一律で請求されるため、低所得世帯の場合には大きな負担です。

このような状況を踏まえて日本の小学校でも給食費の無償化の取り組みが行われてきました。しかし、文部科学省による令和3年度学校給食実施状況等調査によると小学校と中学校の両方で無償化が実現されているのは僅か4.4%だけです。小学校のみ給食費の無償化ができているのが0.2%、中学校のみの無償化をしている自治体は0.1%に留まっています。

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2.外国の給食費無償化の現状について

給食費の無償化は日本ではあまり進んでいない状況がありますが、世界的には無償になってきているのでしょうか。諸外国における給食費の取り扱いについて、地域ごとに分けてどのような現状にあるかを解説します。日本と同じように給食費の無償化があまり進んでいないのが当たり前なのかどうかを詳しく確認してみましょう。

ヨーロッパの国々

ヨーロッパの国々では給食費の無償化がよく進んでいます。フィンランドは世界に先駆けて給食費の無償化を実現した国として有名です。ベジタリアンやヴィーガンが多いことを受けてヴィーガン対応も義務化され、給食を子どもたちの成長を促すための重要なものと位置付けて無料にて給食を提供しています。
フィンランドでは1943年に法律によって無償になりましたが、近隣国のスウェーデンでも給食が無償化されています。

ただ、ヨーロッパの全域で給食費の無償化が浸透しているわけではありません。例えば、イギリスでは給食費の保護者負担が原則で、低所得家庭の場合に免除されて、小学校1~2年生の場合に無償になっている学校が見られる程度です。
フランスでも同様に保護者負担が原則で、低所得家庭に支援制度が設けられているくらいになっています。ドイツのように伝統として給食がなく、軽食を持参する習慣がある国もあります。国によって文化や伝統が異なるため、給食費のあり方も個々に異なっているのが実態です。

アメリカ

アメリカではほとんどの学校で給食費が無償化されていません。現状では一部の地域を除いて保護者が給食費を負担しているのが一般的です。
無償化が進んでいるのはニューヨークやシカゴ、ボストンなどで、州法で一括して無償化をしているわけではなく、一部の学校での無償化が行われている状況です。

ただ、給食費の無償化は少しずつ注目されるようになってきました。アメリカの公立学校の76%が給食費の未納で問題が生じているからです。アメリカでは所得差が大きいことから、低所得で給食費を支払うのが困難な家庭が全国的に多いのです。
給食費の支払いが滞っていると給食が出されない学校もあります。空腹のまま学校生活を送らなければならない子どもに教育をするのは学校側としても負担です。学校によっては給食費を払わない場合には課外活動への参加を禁止しているケースもあり、平等な教育環境を提供できなくなっている状況もあります。そのため、給食費の無償化を課題として考える学校も増えてきているのです。

韓国

韓国では給食費の無償化がよく進んできています。もともとは給食費を保護者が負担する文化を持っていましたが、現状では約7割の自治体が小学校と中学校の両方で給食費を無償にしています。小学校だけなら9割の自治体で無償化をしているのが現状です。
韓国では給食の内容についても改善に積極的で、オーガニック給食の取り入れも進められています。ソウルでは2021年から全ての小学校、中学校、高校でオーガニック給食を無償化することを決定しました。
健康志向によってオーガニックへの意識が高まっているため、このような取り組みが世界的にも注目されています。

3.日本で給食費の無償化が困難な理由

日本で給食費の無償化ができていない自治体が95%以上を占めているのはなぜなのでしょうか。世界的には無償化に向けた取り組みが進んできているのに、日本では困難が生じているのには理由があります。
まず、給食を無償で提供するためには財源が必要です。自治体では税金を財源として予算を組み、教育だけでなく福祉なども含めた公共サービスを提供しています。給食を無償で提供する予算を確保するのが困難なので断念しているケースは多いのです。
特に一度無償化を決めてしまうと継続的な実施が必要となるため、予算を継続的に用意できる目途が立たない場合、無償化ができないケースもあります。

また、給食の無償化の対象範囲を策定するのが難しいのも導入が困難になっている原因です。例えば、通常の給食にアレルギーがある人に特別食を用意するとしても無償にするのかといった点などを考えると制度整備が容易ではありません。また、給食費を無償化しても成果を把握するのが難しいことも課題として挙げられています。
ただ、このような困難があっても自治体によっては、食育支援や子育て支援などといった枠組みで取り組みをしたり、少子化対策として位置付けたりすることで無償にすることに成功した事例はあります。

4.給食費の無償化に代替できる制度はある?

日本では給食費を払うのが困難な家庭のために無償化の代替として利用可能な制度を整えています。就学援助制度(就学の確保を目的とした救済措置)を申請して認定されれば給食費は自治体から支給されるようになります。
就学援助制度は給食費だけでなく、文房具や楽器などの学校教育を受けるために必要な学用品の購入費用にも利用することが可能です。遠足や修学旅行などに対しても支援が出る仕組みになっていて、学校に通わせる諸々の費用の負担を軽減できます。

就学援助制度を利用するには学校に申請をすることが必要です。諸手続きの窓口が学校の担任の先生というのが一般的になっています。学校経費が自治体から学校を通して支払われる仕組みなので、申請をして認められれば特別な手続きは他に必要がありません。
ただ、就学援助制度を受けるためには年収の限度額などの条件が決まっているため、生活が苦しくて給食費を払えない状況だったとしても認定されないこともあります。

また、就学援助制度の利用手続きは煩雑で、周囲に貧困家庭だという事実を知られるリスクもあります。また、就学援助を受けている家庭の割合は自治体による格差が大きく、理解を得られるかどうかが地域によってかなり違うのが現状です。
そのため、就学援助制度を知っていても申請せず、給食費を払えない状況に陥ってしまうケースもあります。

5.給食費の無償化だけじゃない!学校の集金に関する様々な問題

給食費の無償化への取り組みは日本の大きな課題の一つでしょう。日本の小学校では給食費の集金にも問題があるのを知っているでしょうか。実は日本の学校では給食費も含めたさまざまな費用の集金方法について多くの課題を抱えています。
ここでは学校の集金方法に関する問題を詳しく紹介するので、解決すべき問題をあらためて認識していきましょう。

給食費の未納

ここで取り上げてきたように給食費の無償化の背景には支払いが難しい家庭が多いことが挙げられます。
給食費は基本的に全額が納入されることによってきちんと全員に給食を行き渡らせることができるように計画的に金額が決められています。未納があると赤字になってしまい、他から補填するなどの対応を余儀なくされます。アメリカのように未納の学童には給食を出さないというわけにもいかない現場の状況があり、給食費の未納のために苦しい状況に陥っているケースも多いのが実態です。

日本では給食費未納の児童がいる学校が全体のおよそ50%を占めていると言われています。給食費が未納なのは経済的に厳しいのが原因だと考えるかもしれませんが、実際には保護者の責任感が欠如しているために正しく支払われていないケースが目立っています。
また、強制的に払わされるのに抵抗感があるなど、払いたくないから払わない家庭もあるのが実情です。経済的に払えない家庭もあるのは確かですが、むしろ保護者の考え方が未納の問題を引き起こしています。

給食費の公会計化

日本においては学校給食費の徴収や管理について、2020年の発表では全国の教育委員会の74.0%が学校に委ねています。ただ、文部科学省では2019年の時点で給食費の徴収や管理の業務は学校や教員が行うべき業務ではないということを発表していました。
給食費の徴収や管理は自治体の業務とする公会計化を進めるように指針を出しています。公会計化が取り入れられると自治体が予算の中で給食費を管理することになるため、税金と同じように自治体によって給食費が集金されるようになります。学校が業務負担を負っている場合には教員が保護者から給食費を徴収しなければならず、トラブルも相次いでいることから大きな悩みになっているのが実態です。

教員の学校における役割が大きくなり、負担が増えていることも受けて公会計化が促されてきました。働き方改革になることを見越しての文部科学省の指針でしたが、現実としては公会計化にも課題が多くて半数近くが実施を予定していない状況があります。
さらに、給食費の公会計化を制度上は導入していても、実際には学校に集金や管理をさせている自治体もないわけではありません。このような状況を考えると、公会計化の実現が難しいだけでなく、制度として取り入れても形骸化するリスクがあるため、給食費の集金問題を解決する手段としては有望とは言えないでしょう。

非効率な集金方法

小学校の集金は給食費に限ったことではなく、非効率なところが目立ちます。給食費や教材費などの集金方法は一律で決められているわけではありません。学校ごとに個別に決めていることがほとんどで、保護者が学校にお金を持って行き支払うというルールにしていることがよくあります。
おつりがないように持ってきてくださいという連絡をすることが多く、保護者にとっては大きな手間になります。面倒だと思ったり、なかなか小銭ができなかったりして未納になるケースもあるでしょう。

学校によっては子どもがお金を持って行って支払うのでも良いという仕組みにしています。この場合、手間は減りますが、落としたりなくしたりするリスクがあります。
他にも学校関係の費用を引き落とす目的で専用の口座を作るルールの学校もありますが、日頃よく使う給与口座と異なるため、口座残高が不足して引き落とせない等のトラブルが起こり、督促の手間が生じてしまい、結局、未納分のお金を子供に持たせるということもあるようです。
このような非効率な集金方法をやめて、確実かつ簡単に集金できる仕組みを作ることが学校にとって大きな課題です。あらゆる集金を一括して効率よく行える仕組みを取り入れることが今後の学校経営をスムーズにするためには欠かせません。

給食費や教材費などをスムーズに集金するなら集金代金回収サービスがおすすめ

給食費の無償化の実現は難しいのが現状ですが、未納の問題を抱えている学校も多いです。教材費なども集金がうまくできずに苦労しているケースもあります。この課題の解決には集金代行サービスの導入が最善策です。請求も入金確認もスムーズに実施でき、滞納問題の解消にもつながります。
リコーリースは2020年度より、私会計分野に対する集金代行サービスの提案を各教育委員会や学校などにおこなっています。その結果、複数の学校でリコーリースの集金代行サービスをご採用いただき、学校や保護者の集金業務の効率化に貢献しています。まずはフリーダイヤルもしくはお問い合わせフォームから、お気軽にお問い合せ下さい!

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【監修】永井 良二 リコーリース株式会社 執行役員
1990年リコーリース株式会社に入社。
融資、介護業界向けサービス、経営企画業務を経て、決済サービスを管轄するBPO本部長に就任。
2019年〜後払い決済会社大手の(株)ネットプロテクションズ社の社外取締役を務める決済業界のエキスパート。

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