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ビジネスを行う際の必須知識!売上債権の意味や管理方法を徹底解説

2022.08.29

2024.09.13

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売上債権に関する知識はビジネスを行ううえで欠かせない要素のひとつです。売上債権の知識について自信がない人は受取手形や売掛金など、基本的な意味をまず押さえることが大事です。そして、売上債権の管理方法、売上債権の回収方法、売上債権回転率などについても理解していきましょう。本記事では、そんな売上債権について幅広い解説を行っていきます。

売上債権の意味

売上債権とは商品の販売やサービスの提供を取引相手に行った企業が代金をすぐに受け取らず、その代わりに受取手形や売掛金を受け取ることです。決済は約束の期日を設け、後日に行います。ちなみに債権とは、特定の人に特定の行為や給付を請求できる権利のことです。例えばお金を貸した側は、借りた側に対して金銭の支払いを請求する権利があるため、債権を保有していることになります。そして、受取手形や売掛金を受け取り、決算を後回ししている状態は取引相手にお金を貸しているのと同義であるため、受取手形や売掛金を売上債権と呼ぶのです。

また、売上債権は会計上の資産にあたるので、売上債権を担保にして銀行から借入することも可能です。ちなみに売上債権ではなく、売掛債権や受取勘定という言い回しをするケースもあります。

売上債権の分類

売上債権の分類としては「受取手形」「売掛金」「電子債権」の3つが代表的です。この段落では、それぞれの売上債権について解説していきます。

受取手形

手形とは額面上の金額を一定の期日までに支払うと約束した証書のことで、商品取引の決算手段のひとつとして利用されています。そして、商品購入時の支払いを延期するために、取引相手から約束手形や為替手形などの証書を受け取ることを受取手形と呼びます。ちなみに約束手形とは、手形の振出人が手形の受取人に対して将来の一定期日に代金を支払うことを約束した有価証券です。一方で為替手形は手形振出人が支払人(第三者)に対して、手形の受取人に一定の金額を支払うことを依頼する手形を指します。約束手形とは違い為替手形は、お金のやりとりが三者間(振出人・支払人・受取人)で行われるのが特徴です。ただし、為替手形には、振出人が自身を支払人とする「自己宛為替手形」や振出人が受取人となる「自己受為替手形」という形式もあります。

受取手形には支払日が定められているので、その期日までに手形に記載された金額を金融機関で受け取ります。また、期日前に手数料を払って現金に変える、手形割引という方法もあります。受取手形は手形法により手形の作成方法、支払方法などが定められているため、後述する売掛金よりも法的な強制力が強いのも特徴です。

売掛金

売掛金とはなんらかの商品やサービスの売上の対価として後日受けとるお金の権利のことです。このようにお金を後払いで受け取る取引を「掛取引」といいます。売掛金は売上にかかる債権という意味では受取手形と同じく売上債権に分類されますが、売掛金は受取手形のような証書を発行するわけではありません。証書がないため、売り手と買い手の信頼関係が重要になります。そのため信用取引にも区分されるのです。既に企業同士で信頼関係が成立しているなら、売掛金での取引も成立しやすいでしょう。しかし、信頼関係が成立していない状態で売掛金による取引を行うのは、売り手の企業にとってリスクのある行為です。

なぜなら企業にとって売掛金は資金回収に時間を要するだけでなく、下手をするとお金を回収できないリスクも背負うことになるからです。そのため、売掛金による販売を実施する際には取引先に対して信用調査を行い限度額を検討するのが一般的です。売掛金による取引は売り手と買い手の信頼関係が必要ですが、取引の手間が省ける、手元に資金が無くとも取引が行えるなどのメリットがあるため、様々な業界で利用されています。特にサービス業、製造業、卸売業などで売掛金がよく見られます。また、現金はほぼ使わず、納品書や受領書を利用して取引するのが一般的です。

電子債権

電子債権とは紙の約束手形ではなく電子記録債権でやり取りすることです。電子手形のサービスは三井住友銀行や三菱東京UFJ銀行などの大手銀行によって提供されており、系列のファクタリング会社によって現金化が可能となります。ちなみにファクタリングとは、売上債権をファクタリング会社へ売却し、手数料が差し引かれた代金を受け取って資金調達する手法です。手形割引と近いですが、現金化までのスピードや手数料に違いがあります。例えば手数料はファクタリングより手形割引の方が安い傾向にあり、現金化できるスピードはファクタリングの方が手形割引よりも早いと言われています。

そんな電子債権のメリットの1つが、電子データのやり取りなので管理コストが安くすむことです。また、従来の手形とは違い盗難や改ざんのリスクも低いこと、紙の手形とは違い分割支払いができる点などもメリットとして挙げられます。ただし、電子債権は企業によっては対応できないケースもあり、電子手形に移行する手間もそれなりにかかるので注意しましょう。

売上債権を管理する際のポイント

売上債権は「受取手形」「売掛金」「電子債権」のそれぞれで管理方法が違います。まず、受取手形は決算日が決まっているので、その日がきたら自社で銀行に取り立て依頼しなくてはなりません。そのため取り立てするのを忘れないように、手形決済の日付をまとめた受取手形帳を作成して管理するのが重要です。売掛金に関しては売上台帳や売掛帳などに手書きで記入して管理する方法があります。しかし、取引相手の数が膨大になった場合は手書きだと管理しきれないので、エクセルで売掛金管理台帳を作成するか、売掛金管理に特化したPCソフトの導入も検討してみると良いでしょう。売掛金管理のPCソフトには納品書や請求書の発行機能がついている場合が多いので、業務の効率化にも繋がります。

電子債権は基本的に債権を譲り受けた金融機関が受取から決済までフォローしてくれます。そのため紙面の受取手形のような取り立て忘れが発生することはありません。ただし、現金化可能な電子債権がどの程度あるかについては自社で把握しておく必要があるので、決済日付や金額をまとめた管理台帳を作成しておくのが望ましいです。

売上債権回収の実施方法や支払い期日について

売上債権を回収するやり方については、取引相手と事前にしっかりと決めておく必要があります。回収するやり方は現金による回収、銀行口座への振込、受取手形や電子債権による回収などが一般的です。また、買掛金と未払金を相殺する方法もあります。ちなみに買掛金とはなんらかの商品やサービスを購入して生じた買入代金のうち、まだ未払いであるもののことで、売掛金の真逆の概念です。未払金も買入代金のうち未払いであるものを指しますが、買掛金は取引先からの仕入に関わる科目であるのに対して、未払金は単発的な取引から発生した費用を対象としています。

また、売上債権を回収する際には支払い期日の取り決めも大切です。例えば、売掛金の場合、翌月月末払い、翌々月月末払いなどが多い傾向にあります。一方、受取手形や電子債権の場合は120日後決済、150日後決済など決済日が事前に定められています。売上債権の回収は資金繰りに影響を与えるので、回収方法や支払い期日は「どれだけ早く売上債権を現金化できるか」という点が重要です。ただし、回収方法や支払い期日は取引相手の希望を考慮して決めることになるため、こちらにメリットの多い条件を通すのは難しいでしょう。それでも、少しでも早く現金化できる方法をこちらとしても提案する必要があります。

売上債権回収の効率性を確認するための指標

売上債権の回収の仕方に問題がないかどうかを推し量る指標として「売上債権回転率」「売上債権回転期間」があります。そこで本段落では、それぞれの特徴や計算方法について解説していきます。

売上債権回転率

売上債権回転率とは売上の回収にかかる速さの指標で、売上高を売上債権の金額で割ることで算出できます。単位は「回転」となります。例えば売上高が10万円、売上債権の金額が5万円の場合、売上債権回転率は10万÷5万で2回転です。これは、売上債権を2回転させれば売上高がすべて回収されるという意味になります。この売上債権回転率が高いほど、売上債権が効率的に回収できている証明になります。逆に売上債権回転率が低いと、資金の回収サイクルの効率が悪い恐れがあるので注意しましょう。

ただし、売上債権回転率の平均は業界によって異なります。例えば、飲食サービス業や宿泊業は回転が早く(売上債権回転率が高い)、製造業や卸売業はやや回転が遅い傾向にあるのです。令和2年の中小企業実態基本調査でも、宿泊業・飲食サービス業の売上債権回転率の平均値が36回であるのに対し、製造業や卸売業の売上債権回転率の平均値は5~6回とかなり低い水準です。製造業や卸売業は月締めでの請求や支払いまでの期間が長い場合が多いため、売上債権回転率が低くなると言われています。このように業種によっては構造的に回転が遅くなるのも仕方がないので、比較する場合は同業他社と行うようにしましょう。

売上債権回転期間

売上債権回転期間とは売上債権回収にかかるまでの期間のことです。売上債権回転期間を月数で出す場合は、売上債権を売上高で割り、12カ月を掛ければ計算できます。日数で出す場合は、売上債権を売上高で割り、365日を掛ければ算出可能です。この売上債権回転期間が短いほど、短期間で債権が回収できている証拠といえます。ただし、この売上債権回転期間も売上債権回転率と同様に業界によって平均が異なるので注意しましょう。現金取引の多い、小売業や飲食業は売上債権回転期間が短い傾向にあり、法人との取引が多い卸売業、製造業などは売上債権回転期間が長い傾向にあります。

売上債権回収の効率性が悪い場合に起きる問題点とその対策

売上債権回転率や売上債権回転期間の数字が芳しくない場合、どのような問題が起きるのでしょうか。そこでここでは、売上債権回収の効率性が悪い場合の問題点とその対策について解説していきます。

問題点

基本的に売上債権回転率が低く、売上債権回転期間も長い場合、売上債権回収の効率性が悪いことを意味します。このように売上債権回収の効率性が悪い場合、様々な問題が発生する恐れがあります。まず、売上債権回転率が低いということは、会社がすぐに使える現金が少なく体力がない状態です。仕入れの資金、従業員の給与、賃貸物件の賃料など、さまざまな資金調達に頭を悩ませることになるでしょう。そして、売上債権回転期間が長いということは、売掛金が入ってこない状況も長いことを意味します。売掛金が入ってこなければ資金不足に陥り、最悪のケースでは倒産する可能性もあるのです。

支払いが遅れている売上債権を回収するため、弁護士に依頼する場合もあります。しかし、売上債権の回収を弁護士に依頼するとなると、相当な費用がかかるので経営状態をますます圧迫するリスクもあります。

対策

売上債権回収の効率性が悪い場合の対策についてですが、まず入金方法を見直してみましょう。クレジットカードや電子マネーは受け取りに時間がかかるケースがあるので、現金や銀行振込への変更を検討するのがおすすめです。取引相手に支払い期日を短くしてもらうのも有効な手段のひとつです。例えば、翌月末締めの末支払いを翌月末締めの15日払いにしてもらうなどの交渉を行います。少しの短縮でも積み重なれば売上債権回転期間の改善に繋がります。自社の債権回収の業務体制に問題がないかも確認しておきましょう。社内で請求漏れや督促漏れが発生しているおかげで、売上債権回転率が低下しているケースは珍しくありません。売上債権の回収は法律や債権回収の知識がある人材が担当するのが望ましいです。

商品や原材料の仕入れ先と交渉して仕入れの支払いを先伸ばしにしてもらう方法も手元のお金をできるだけ長く残す方法としては役立ちます。その他にも売掛債権を担保に資金を調達するファクタリングを利用したり、約束手形で受け取り、すぐに現金に変えたりといった方法も考えられます。売上債権を管理する上で支払能力が低いと判断した取引先があれば、その取引先との契約内容を見直すことも重要です。例えば支払能力が低い取引先に対して、裁判による法的回収を進めても、裁判費用や弁護士費用がかかるだけで何も回収できない可能性があります。このような取引先には、契約内容を見直して売上債権の値引き等を行い、少しでも売上債権を回収した方がいい場合もあります。

回収業務に問題を感じたらリコーリースの集金代行サービスへ

いくら利益を出したとしても売上債権を適切に回収できなければ手元にお金が残りません。そのため売上債権の管理は売上を伸ばすのと同じぐらい重要です。売上債権回転率が悪いようであれば、その原因をすぐに分析しましょう。集金のやり方に問題があったり効率が悪かったりするようであれば、リコーリースの集金代行サービスがおすすめです。まずはフリーダイヤルもしくはお問い合わせフォームから、お気軽にお問い合せ下さい!