請求書の振込先の書き方が分かる!請求書作成の基本と業務効率化のポイント
2025.07.17
2025.07.17
請求書作成で意外と悩みがちなのが「振込先情報」の書き方ではないでしょうか。振込先情報の記入方法を誤ると、入金遅延や取引先とのトラブルの原因となり、業務効率の低下にもつながることがあります。特に法人口座の名義表記は、「株式会社」の位置や略称の使用ルールなど、細かなポイントがあり注意が必要です。
この記事では、請求書の振込先情報の書き方を徹底解説します。後半では、請求業務を効率化する方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
請求書の振込先の書き方|4つの基本項目
請求書の振込先情報を正確に記載することは、迅速かつ確実な入金処理のために欠かせません。振込先に記載する基本項目は以下の4つです。
<振込先に記載する基本項目>
- 金融機関名と支店名
- 口座の種類(普通預金・当座預金)
- 口座番号
- 口座名義
ミスのない振込先情報の記載が、業務の効率化と取引先との良好な関係維持につながります。それでは、各項目の具体的な書き方のポイントについて詳しく解説していきます。
金融機関名と支店名
振込先情報の金融機関名と支店名は、略称や通称ではなく、必ず正式名称で記載しましょう。例えば、JAバンクの場合は「〇〇農業協同組合」などのように記載します。支店名も「新宿」だけでなく「新宿支店」と記載が必要です。
可能であれば、金融機関名と支店名に加えて、金融機関コードや支店コードも記載しましょう。必須ではありませんが、インターネットバンキングや窓口を利用して振り込む際に、振込ミスが低減できる可能性があります。
口座の種類(普通預金・当座預金)
請求書の振込を正常に行うためには、口座の種類を記入する必要があります。口座の種類は主に「普通預金」と「当座預金」の2つです。
請求書に記載する際は、口座番号の前に「普通預金」「当座預金」と明記しましょう。種類が分かればよいので、「普通 ○○」「普通)○○」のように略してもかまいません。口座の種類が分からない場合は、通帳かインターネットバンキングの口座ページで確認します。
口座番号
口座番号は請求書の振込先情報において最も重要な項目です。一般的な銀行の口座番号は7桁が基本ですが、金融機関によっては桁数が異なるため注意しましょう。
例えば、ゆうちょ銀行では7桁未満や8桁の場合があります。7桁に満たない場合は、7桁になるように頭に「0(ゼロ)」を付けて調整しましょう。8桁の場合は、末尾の「1」を省いた7桁を記入します。
口座番号を請求書に記載する際は、数字の判別ミスを防ぐため、はっきりと書くことが大切です。不明確な数字表記は入金遅延の原因となります。
口座名義
銀行窓口から振込を行う場合、口座名義が間違っていると振込が行えません。必ず正しい名義を記入しましょう。インターネットバンキングやATMでは、金融機関名や口座番号を入力すると、自動的に口座名義が反映されることもあります。
口座名義は、カタカナで記入するのが一般的です。個人事業主で口座に屋号を登録している場合は「屋号と個人名」を記入し、屋号がない場合は個人名のみを記載します。法人口座の場合は、株式会社などの法人格は略称で表記します。
請求書の振込先の記入例
請求書の振込先を正確に記載することは、スムーズな入金処理の鍵となります。ここでは金融機関別の具体的な記載例をご紹介します。
都市銀行や地方銀行の場合の記載例
請求書に都市銀行や地方銀行の口座を記入する際の記載例は以下の通りです。
お振込先:
〇〇銀行 〇〇支店 (金融機関コード〇〇 支店コード〇〇)
普通預金 1234567
株式会社〇〇 (カ)〇〇
金融機関名と支店名は必ず正式名称で記載し、金融機関コードや支店コードを併記するとスムーズな振込処理が期待できます。記入後は、口座番号の桁数と数字が合っているか、金融機関名と口座名義に誤りがないかをダブルチェックすることが大切です。
ゆうちょ銀行の場合の記載例
ゆうちょ銀行の場合、通帳には支店の名称ではなく、5桁の数字が記されています。5桁の番号の内、左から2つ目・3つ目の数字に「8」を付けたものが支店名となります。数字は必ず漢数字を使用しましょう。
例えば、5桁の数字が「12345」の場合、左から2桁目・3桁目の「23」に「8」を付け、「二三八店」です。以下で実際の記入例も紹介します。
お振込先:
ゆうちょ銀行(金融機関コード 9900)
二三八店 (支店コード 238)
普通預金 1234567
株式会社〇〇 (カ)〇〇
詳しい変換方法については、ゆうちょ銀行のホームページでも確認できます。
参考:記号・番号から振込用の店名・預金種目・口座番号への変換の公式|ゆうちょ銀行
請求書の振込先を記入するときのポイントと注意点
ここでは、請求書の振込先情報を記入する際に押さえておくべき5つの重要ポイントについて詳しく解説します。これらのポイントを理解し実践することで、取引先とのスムーズな決済を実現できるでしょう。
振込手数料に関して明記する
振込手数料は基本的に債務者、つまりお金を振り込む側(請求書を受け取った側)が負担するのが原則とされています。しかし、取引先との間で事前に別の取り決めをしている場合は、その内容に従います。
取引先の担当者と振込担当者の間で認識のずれが生じるのを防ぐためにも、振込手数料の扱いについては、請求書に明確に記載しておくことが重要です。もし振込手数料を相手に負担してもらいたい場合は、請求書の備考欄などに「お振込手数料は貴社負担にてお願いします」と記載しておきましょう。
振込手数料は1回あたりの金額は大きくありませんが、取引数が多い場合は年間で相当な額になることもあります。トラブルを未然に防ぐためにも、契約時に振込手数料の負担について明確に取り決め、請求書にその内容を反映させることをおすすめします。
「株式会社」の前置・後置と正しい省略表記
法人名義の口座へ振込を行う場合、法人格や団体名は略称で表示されます。そのため、請求書の振込先にも略称で記載することが重要です。
以下に、主に使用される省略表記をまとめました。
法人格 | 一般的な省略表記 |
---|---|
株式会社 | カ)、(カ)、(カ |
有限会社 | ユ)、(ユ)、(ユ |
合同会社 | ド)、(ド)、(ド |
合資会社 | シ)、(シ)、(シ |
合名会社 | メ)、(メ)、(メ |
学校法人 | ガク)、(ガク)、(ガク |
一般社団法人・公益社団法人 | シヤ)、(シヤ)、(シヤ |
一般財団法人・公益財団法人 | ザイ)、(ザイ)、(ザイ |
営業所 | エイ)、(エイ)、(エイ |
法人格が会社名の前にくるか後にくるかによっても表記が異なるため注意しましょう。
<例>
- 株式会社○○→カ)○○
- ○○株式会社→○○(カ
略称に不安がある場合は、通帳などで金融機関の口座名義を確認してみてください。
カタカナ・記号の表記と文字数制限
振込先の口座名義は「全角」のカタカナで記載します。半角は使用できない点と、濁点も一文字に換算する点を覚えておきましょう。また、「ィ・ッ・ャ」といった小文字は大文字に変換します。また、基本的に「・(中黒)」は使用できません。
文字数制限も重要で、多くの金融機関では30~40文字程度が上限です。長い会社名の場合は、「文字数制限まで記入する」「正式な略称を使用する」といった対応がありますが、請求書には省略前と省略後の両方を記載しておくと親切です。使用できる記号も金融機関によって異なることがあるため注意しましょう。
押印の必要性と電子印鑑の扱い
請求書への押印は法律上、必須ではありません。押印がなくても請求書としての効力に影響はありませんが、実務では押印があると書類の信頼性が高まるため、可能であれば押印するとよいでしょう。
近年はペーパーレス化の流れにより、オンラインで請求書をやりとりする機会も増えています。メールなどで請求書を送付する際に使用するのが電子印鑑です。電子印鑑には、単なる画像データとして印影を挿入するものと、タイムスタンプ付きの本格的なものがあります。
画像データの電子印鑑は簡単に使えますが複製も容易なため、重要な取引ではタイムスタンプ付きの電子印鑑が望ましいでしょう。タイムスタンプ付き電子印鑑は、使用時に所有者や作成時間などの情報が記録され、改ざんを防止できます。
取引先によって電子印鑑の受け入れ方針は異なるため、事前に確認することが重要です。
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振込先以外に請求書に記載すべき項目
請求書に振込先を記載する際には、他にも重要な項目を忘れずに記入する必要があります。まず必須となるのは、以下の項目です。
- 宛名
- 請求書番号
- 請求書の発行日
- 請求書作成者の情報(会社名・住所・連絡先)
- 取引内容
- 取引金額
軽減税率の対象品目がある場合は、その旨も明記しなければなりません。
インボイス制度に対応するには
2023年10月からスタートしたインボイス制度に対応するためには、上記の請求書の必須項目に加えて、以下の項目も記載する必要があります。
- 税率ごとに区分・合計した税抜きまたは税込対価の額と適用税率
- 税率ごとに区分した消費税額
- 請求書発行事業者の氏名または名称及び登録番号(事前登録が必要)
登録番号の取得には事前に税務署への登録申請が必要です。登録番号は法人の場合「T+法人番号」、個人事業主は「T+13桁の番号」となるため、正確に記載しましょう。
請求業務を効率化するなら口座振替やコンビニ決済の導入がおすすめ
請求書の振込先の書き方には注意すべき点が多く、手間がかかるとお悩みの方もいるでしょう。請求業務を効率化するなら、口座振替やコンビニ決済といった他の決済手段の導入がおすすめです。
口座振替は、事前に引き落とし先口座を登録しておけば、指定日に自動で代金を回収できます。また、コンビニ決済は、発行された払込票や支払い番号を使って、コンビニ店頭などで支払いをしてもらう方法で、24時間365日いつでも支払える利便性の高さが特徴です。
どちらも代行業者に依頼して導入するのが一般的で、代行業者を利用することにより、請求書発行から代金の回収、入金確認までの一連の業務を委託できます。
また、多くの代行業者では専用Webサイトといった管理システムを提供しており、入金状況を一元管理できるため、書類紛失のリスクも解消できるでしょう。
コストを抑えた導入なら「リコーリース」
口座振替やコンビニ決済を導入するなら、リコーリースの集金代行サービスがおすすめです。
リコーリースは、40年以上の実績と20,000社を超える導入事例を持つ信頼性の高いサービスで、口座振替は全国の都市銀行・地方銀行をはじめ、ゆうちょ銀行やネットバンクなどほぼ全ての金融機関に対応しています。コンビニ決済は、全国のコンビニやスーパーマーケットなど66,000店舗でご利用可能です。
さらに、オプションサービスとして「請求書発行代行サービス」も用意しており、請求書作成から発送までを任せられるため、業務負担とミスのリスクを大幅に軽減できます。専用Webサイトで請求・入金状況を一元管理できる点も利点です。
初期費用は0円で、請求がない月は基本料金もかからないため、コスト面でも安心して導入できます。信頼性が高く、コストパフォーマンスが良い代行業者をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
請求書の振込先には金融機関名・支店名、口座種類、口座番号、口座名義の4項目を正確に記載することが重要です。さらに、金融機関名の書き方や法人特融のルールなど、注意すべき点も多く、ミスが発生しやすい業務といえます。
銀行振込での業務負担が気になる方は、口座振替やコンビニ決済といった他の決済手段の導入も検討しましょう。信頼できる代行業者に依頼して導入することで、集金を自動化し、請求業務全般の効率化が期待できます。
初めて口座振替やコンビニ決済を利用するなら、ぜひフリーダイヤルによるサポート体制が充実したリコーリースにお任せください。請求業務に関する疑問にも専門スタッフが丁寧に対応します。
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【監修】尾﨑 宗則 リコーリース株式会社 BPO本部長
1999年リコーリース株式会社に入社。
情報システム部や事業統括部門、営業部門の支社長、子会社(テクノレント社)の営業統括本部長など、重要なポストを歴任した後、2025年4月~決済サービスを管轄するBPO本部長に就任。
数々の商品企画やシステム開発に携わり、豊富な経験と実績・幅広い分野の知識を有するゼネラリスト。