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家賃決済をキャッシュレス化するメリットとは?現金回収の課題と解決策

2025.05.14

2025.05.14

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不動産経営者の中には、毎月の家賃の現金回収業務や滞納対応に頭を悩ませている方もいるでしょう。現金での回収は金額確認などに時間や手間がかかる上、回収後にも現金取り扱いリスクが発生します。

近年、あらゆる決済がデジタル化する中、家賃決済もキャッシュレス化が進んでいます。口座振替をはじめとするキャッシュレス決済は、入居者の利便性向上だけでなく、家賃回収の確実性を高め、不動産経営の安定化にも大きく貢献する方法です。

この記事では、家賃決済をキャッシュレス化するメリットと導入時の注意点について、詳しく解説していきます。

家賃を現金で回収する際の課題とリスク

カレンダーの上に置かれた紙幣と電卓、赤鉛筆

不動産経営において、家賃の現金回収には複数の課題とリスクが潜んでいます。まずは、家賃滞納問題、現金管理リスク、管理業務の負担という3つの観点から、現金回収の具体的な問題点について詳しく解説していきます。

家賃滞納や支払い遅延

家賃を現金回収する際に課題となるのが、滞納や支払い遅延です。不動産経営では、空室よりも家賃滞納の方が大きなリスクとなることもあります。家賃滞納が発生すると、管理会社による催促から始まり、連帯保証人への連絡、内容証明郵便による催促と段階的な対応が必要です。

それでも解決しない場合は、明け渡し訴訟などの法的手続きを取りますが、入居者に支払い能力がない場合、これらの費用は全てオーナー負担となることもあります。金銭面だけでなく、業務量の増加や時間的・精神的な負担も増加するため、対策が必要です。

現金取り扱いによる紛失・盗難リスク

オーナーや管理会社が入居者から現金を受け取る場合、持ち運び中に紛失したり、オフィスで保管中に盗難に遭ったりするリスクがあります。特に、複数の物件を所有し多額の家賃を扱う場合、そのリスクは無視できません。

また、こうしたリスクに対応するためには、防犯カメラの設置や金庫の購入、さらには警備システムの導入など、追加コストが発生します。加えて、手作業での記帳などはヒューマンエラーが起こりやすく、銀行へ出向いての預金作業といった追加の業務負担も生じます。

家賃回収業務にかかる時間と人件費

家賃を現金集金する場合、「回収」「確認」「消込」といった全てのタイミングで多くの時間を要し、事務負担が増大する傾向にあります。さらに、振り込み忘れや滞納があれば、それらの対応のための事務作業も追加で発生するでしょう。

業務量が多く時間がかかるということは、その分人件費がかさみ、その他の業務に割くリソースも減るということです。また、複数の物件を所有している際は、物件への移動のためにガソリン代なども発生します。これらの負担は、不動産経営において見過ごせないコストとなっています。

家賃はキャッシュレス決済にできる?

窓際で手を顎に当てて疑問を浮かべる女性

現在では、家賃においてもさまざまなキャッシュレス決済方法が利用可能となっていますが、どのような種類があり、それぞれにどんな特徴があるのでしょうか。ここでは、家賃で主に使用されているキャッシュレス決済の種類と、それぞれの特徴、メリット・デメリット、さらに現在の利用傾向について詳しく解説します。

家賃で主に使用されているキャッシュレス決済の種類

現金を使わずに支払いを行う方法をキャッシュレス決済と呼びます。家賃の支払いで主に使用されているキャッシュレス決済には、以下のような種類があります。

・口座振替
・銀行振り込み
・クレジットカード決済
・コンビニ決済

家賃のキャッシュレス決済方法|それぞれの特徴やメリット・デメリット

家賃の支払いで主に使用されているキャッシュレス決済方法について、それぞれのメリットとデメリットを表にまとめました。

決済方法 メリット デメリット
口座振替 ・滞納リスク軽減
・低コスト
・入金管理の効率化
・導入に時間がかかる
・残高不足だと引き落としができない
銀行振り込み ・銀行口座があれば利用可能
・ネットバンキングなどで24時間支払い可能
・振込手数料がかかる
・窓口の場合、受付時間が決まっている
クレジットカード決済 ・滞納リスク軽減
・事務作業の効率化
・入居者へのポイント還元
・手数料が高め
・入金までのタイムラグ
コンビニ決済 ・24時間支払い可能
・入居者の利便性向上
・払込票の発行コスト
・支払い忘れのリスク

決済手段は、それぞれ異なる特徴があるため、物件数や入居者のニーズに応じて選択することが大切です。物件の差別化や入居者の利便性向上のために、複数の決済方法に対応することも検討するとよいでしょう。

最も割合が多いのは口座振替

公益財団法人NIRA総合研究開発機構が発表した「キャッシュレス決済実態調査 2023(速報)」によると、家賃・管理費(共益費を含む)の支払いで最も使用されているのは、口座振替でした。

・口座から自動引落し(口座振替):51%
・現金:20%
・クレジットカード:15%
・その他現金以外:13%

家賃決済においては、安定性と確実性を重視する傾向があり、口座振替が最も信頼できる決済手段として定着していることが分かります。

また、口座振替は、自動で引き落としができるという点が特徴です。同データでは、光熱費や塾、授業料、習い事月謝などの支払い方法としても大きな割合を占めており、定期的な支払いが発生するサービスと相性がよいといえるでしょう。

参考:キャッシュレス決済実態調査 2023(速報)

家賃をキャッシュレス決済(口座振替)にする主なメリット

「メリット」と書かれた吹き出しとメモ帳

家賃決済のキャッシュレス化は、不動産経営に多くのメリットをもたらします。特に口座振替は、安定した家賃回収を実現するとともに、経営者の業務効率化にも大きく貢献する方法です。

ここでは、口座振替による家賃決済が不動産経営にもたらす4つの主要なメリットについて解説します。

家賃回収率の向上と安定した経営基盤の構築

口座振替を導入すると、自動引き落としにより入居者の支払い忘れを防止できるため、家賃回収率が向上します。滞納リスクの低下は、不動産経営の基盤となる安定したキャッシュフローを生み出し、事業の安定性につながります。収入の予測が付くことで、修繕計画や新規投資などの経営判断も立てやすくなるでしょう。

さらに、現金回収に伴う紛失や盗難リスクもなくなるため、安心して経営に集中できる環境が整います。

入居者満足度向上による物件競争力の強化

口座振替による家賃決済は、入居者満足度を向上させ、物件の競争力強化にも大きく貢献します。入居者にとって最大のメリットは、毎月の支払い手続きが完全に自動化される点です。口座残高にさえ気を付けていれば、支払いの手間がなく、期日を気にする必要もないため、忙しい社会人や学生にとって大きな負担軽減が期待できます。

また、口座振替は、銀行振り込みと比較して手数料も安価な傾向にあるため、経済的負担も軽減できます。銀行口座があれば利用できるので、幅広い顧客層に対応できるのもメリットです。

管理業務の効率化と人的リソースの最適化

口座振替を導入することで、集金業務が効率化されます。例えば、現金回収にかかっていた人的リソースや現金管理コストが不要になるほか、入金日が統一されることで、銀行振り込みで発生していた消込作業も簡素化されるでしょう。特に多数の入居者を抱える物件では、この効率化の恩恵は大きいといえます。

さらに重要なのは、こうして浮いた人的リソースを他の重要な業務に振り向けられる点です。入居者対応の質の向上、物件メンテナンスの充実、新規物件の開拓など、不動産経営の競争力強化につながる業務に注力できるようになります。

家賃の決済手段に口座振替を導入する際に知っておきたいこと

虫眼鏡に映る感嘆符

家賃決済の口座振替導入を検討する際には、いくつかの重要なポイントを理解しておく必要があります。ここでは口座振替を導入する際に押さえておきたい4つの重要ポイントについて解説します。

引き落とし失敗のケースがある

口座振替は家賃回収の効率化に役立ちますが、引き落とし失敗のケースが存在することを理解しておきましょう。主な失敗原因は2つあります。

まず、口座振替の準備が整っていない場合です。口座振替では、導入から実際の運用開始までに約2ヶ月かかることがあります。この期間は自動引き落としが行われないため、入居者に別途振り込みが必要なことを伝えておきましょう。

次に、残高不足で引き落としができないケースです。この場合、物件によって「再引き落とし日」が設定されている場合とそうでない場合があります。契約前に再引き落としの有無を入居者と確認しておくことが重要です。

口座振替の導入は代行業者へ依頼するのが一般的

口座振替の導入には、「金融機関と直接契約する方法」と「代行業者に依頼する方法」の2つがあります。直接契約の場合、各金融機関で申し込みや審査が発生して手間がかかるため、代行業者に依頼する方法が一般的です。

代行業者に依頼して口座振替を導入する際の流れは以下の通りです。
1.代行業者の審査を受け、契約を締結する
2.入居者へ口座振替依頼書の記入・捺印を依頼する
3.代行業者へ記入・捺印済みの口座振替依頼書を送付し、入居者の情報を登録する
4.口座振替の結果を確認する

代行業者の審査に通過すれば、代行業者が提携している複数の金融機関で口座振替が可能になります。金融機関ごとの申し込みや審査といった手続きが一度で済むのも、代行業者に依頼するメリットです。

内部リンク:口座振替の契約方法は2つ!それぞれのメリットや契約から導入までの流れを解説

手数料が発生する

代行業者に依頼して口座振替を導入する際には、以下のような手数料が発生します。

初期費用 システムの導入や初期設定費、導入サポート費など
月額基本料 システム利用のため毎月発生する固定費用
振替手数料(請求手数料) 請求1件ごとに発生する、代金回収の代行費用
振込手数料 回収した代金を事業者の口座に振り込む際の手数料
オプションサービスの利用料 有料オプションの利用料

代行業者に依頼すると手数料はかかるものの、導入の手続きが簡素化されるほか、請求書発行や入金確認といった業務の効率化も可能です。手数料とメリットのバランスを考慮した上で導入を検討しましょう。

手数料の金額や料金体系は代行業者によって異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

内部リンク:口座振替の費用がわかる!5つの主要コストと導入のメリット

導入成功には適切な代行業者選びが重要

代行業者によって、手数料だけでなく、提供しているサービスや機能も異なります。一般的に、サービスや機能が多くなればなるほどコストも増加する傾向にあるため、自社にとって過不足ないサービスかつ最適な料金プランを提供してくれる代行業者を選びましょう。

代行業者選びの際にチェックしたいポイントは主に以下の5つです。

・サービス内容
・料金体系
・対応している金融機関数
・導入実績
・アフターフォローの有無

サービス面では、業務をどこまで委託できるかを確認しましょう。料金は、一部の手数料だけでなく、毎月発生する請求件数を明確にした上で、実際の運用を想定した見積もりを行い比較検討することが大切です。対応している金融機関数が多ければ、入居者の利便性が向上します。

また、代行業者の導入実績や口コミをチェックするのもおすすめです。「不動産業界での導入実績がある」「上場企業である」「評判がよい」といった代行業者であれば、安心して依頼できます。運用面で不安がある方は、アフターフォローが充実した代行業者を選ぶとよいでしょう。

家賃決済サービスをお探しの方はリコーリースにご相談ください

家賃決済のキャッシュレス化を検討中の方は、ぜひリコーリースの口座振替サービスをご利用ください。リコーリースの口座振替サービスは、初期費用0円、請求がない月は月額基本料もかかりません。請求件数も1件からと縛りがなく、入居者が少ない物件でも気軽に導入可能です。

都市銀行・地方銀行・信用金庫・ネット銀行・ゆうちょ銀行といった全国の金融機関に対応しており、専用Webサイトを通じて引き落とし依頼から入金管理まで簡単に行えるため、事務作業の大幅な効率化が期待できます。

オプションサービスである「ペイジー口座振替受付サービス」もおすすめです。ペイジー口座振替受付サービスとは、キャッシュカードを専用端末に差し込み、暗証番号を入力いただくことで、その場で口座登録の受付が完了するというものです。口座振替の導入時にネックとなる口座振替依頼書への記入・捺印が省けるため、よりスムーズに運用できます。

マンションだけでなく、駐車場・駐輪場の管理会社にも対応しており、家賃、賃料、管理費、共益費など、家賃まわりの集金業務を包括的にサポート可能です。不動産経営の集金業務にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

アパートの模型と、机で事務作業をする人の手元

不動産経営において家賃の現金回収は、滞納リスクや紛失・盗難リスク、業務負担の増加といった課題があります。これらの課題を解決する方法として、キャッシュレス決済の導入が有効です。特に、口座振替は最も利用率が高く、家賃回収率の向上や管理業務の効率化、顧客満足度向上といった多くのメリットをもたらします。

家賃集金に口座振替の導入を検討中の方は、ぜひリコーリースにお任せください。実際の請求件数や請求頻度を丁寧にヒアリングした上で、最適なプランをご提案します。専用フリーダイヤル完備で、導入前後のサポートが手厚いため、初めて口座振替を導入する方にも安心です。まずはお見積もりから、お気軽にお問い合わせください。

尾﨑 宗則

【監修】尾﨑 宗則 リコーリース株式会社 BPO本部長

1999年リコーリース株式会社に入社。
情報システム部や事業統括部門、営業部門の支社長、子会社(テクノレント社)の営業統括本部長など、重要なポストを歴任した後、2025年4月~決済サービスを管轄するBPO本部長に就任。
数々の商品企画やシステム開発に携わり、豊富な経験と実績・幅広い分野の知識を有するゼネラリスト。