口座振替の手数料相場とサービス比較!メリットや選び方のポイントは?
2025.06.18
2025.06.18
定期的な集金業務において、口座振替はコスト削減や業務効率化を実現できる便利な仕組みです。しかし、実際に導入を検討すると、「どのくらいの手数料がかかるのか」「どの口座振替サービスを選べばよいのか」といった疑問が出てくる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、口座振替サービスの手数料相場やおすすめのサービス5社を紹介します。口座振替サービスを選ぶ際のポイントも解説しているため、ぜひ最後まで読んでみてください。
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目次
【再確認】口座振替とは
口座振替は、現金の持ち運びや振り込み作業が不要なことから、多くの事業者が導入している集金方法です。口座振替サービスの手数料相場について見ていく前に、口座振替とはどのような仕組みなのか再確認しておきましょう。ここでは、口座振替の基本的な仕組みから導入方法まで、わかりやすく解説します。
口座振替の仕組み
口座振替は、利用者の同意に基づいて、金融機関が毎月決められた日に自動的に口座からお金を引き落とす仕組みです。引き落とし先の口座は、「口座振替依頼書」という書類を用いて登録されます。
口座振替により、事業者は毎月の集金作業を効率化でき、利用者も払い忘れの心配が減ります。特に、継続的な取引がある場面で便利な集金方法といえるでしょう。
口座振替の利用シーン
口座振替は、定期的な支払いが発生する場面で広く利用されています。代表的な利用シーンは以下の通りです。
・介護施設の利用料
・病院・クリニックの訪問診療費
・学習塾やカルチャースクール、ジム等の月謝
・小中学校での各種費用(教材費や給食費など)
・賃貸物件の家賃
口座振替を導入する方法
事業者が口座振替を導入するには、銀行と直接契約する方法と集金代行サービスを利用する方法があります。銀行と直接契約する方法では、自社で各金融機関と直接契約を結び、口座振替の仕組みを構築します。契約手続きに手間がかかりますが、手数料を抑えられる点がメリットです。
集金代行サービスを利用する方法は手数料がかかりますが、口座振替に必要な手続きを代行業者に任せられ、業務効率の向上を図れます。複数の金融機関と契約する場合は、集金代行サービスを利用するのがおすすめです。
関連記事:口座振替の契約方法は2つ!それぞれのメリットや契約から導入までの流れを解説
口座振替サービスの手数料相場
口座振替サービスを導入する際には、利便性の高さとともに、どのような費用が発生するのかを把握しておくことが重要です。手数料は代行業者やサービス内容によって異なりますが、大まかな相場(目安)はあります。
ここでは、初期費用から毎月かかる月額基本料、1件ごとの振替手数料(請求手数料)、オプション費用など、代表的な費用項目の相場を紹介します。
初期費用:無料〜数万円程度
初期費用とは、口座振替サービスを導入する際に最初に発生する費用のことです。具体的には、口座振替の仕組みを自社システムと連携させるための設定費用や、契約時の事務手数料などが該当します。
無料のサービスもあれば、カスタマイズや導入サポートが含まれるプランでは数万円程度かかる場合もあります。特に中小企業や個人事業主向けの集金代行サービスでは、初期費用が無料に設定されていることが多いため、初期コストを抑えたい事業者にぴったりです。
月額基本料:数千円〜数万円程度
月額基本料とは、口座振替サービスを継続利用するために毎月支払う固定費のことです。システム維持費やサポート費用、サービス提供の基本料金などが含まれます。
一般的な相場は数千円〜数万円程度ですが、小規模な事業者向けに月額基本料が無料、あるいは使用した月だけ発生するケースもあります。請求件数が少ない場合には、固定費を抑えることがコスト管理において重要です。
振替手数料(請求手数料):1件あたり数百円程度
振替手数料(請求手数料)とは、利用者の口座からお金を引き落とすたびに発生する費用のことです。相場は1件あたり数百円程度で、利用するサービスや契約件数に応じて変動します。多くの利用者から毎月継続して料金を徴収する場合、この手数料が積み重なり、月間コストに大きく影響することもあります。
中には、件数に応じて手数料が安くなる料金体系を設定している代行業者もあるため、長期的な視点で費用対効果を比較することが大切です。
振込手数料:1回あたり数百円程度
振込手数料とは、口座振替で回収された資金を、代行会社が事業者の指定口座へ振り込む際に発生する手数料のことです。相場は1回あたり数百円程度で、振り込み回数が多くなるほどコストも増加します。
その他手数料(オプション料)
口座振替サービスでは、さまざまなオプション機能に応じた追加費用が発生する場合があります。
・請求書発行代行:請求書の作成・送付代行
・顧客サポート代行:顧客からの問い合わせ対応や手続き代行
・未回収保証:引き落とし失敗時に代行会社が立替払いをする保証制度
上記のオプションは業務効率化に役立つ反面、必要のない機能を契約してしまうとコスト過多になる可能性もあるため、導入前に慎重に検討しましょう。
口座振替サービスを利用するメリット
口座振替サービスには、単に自動で料金を引き落とせるだけでなく、経理業務の効率化や顧客対応の質向上など、さまざまなメリットがあります。
以下で、口座振替サービスを活用することで得られる具体的なメリットについて詳しく見ていきましょう。
未収金のリスクを減らせる
口座振替を利用する大きなメリットは、未収金の発生リスクを減らせることです。利用者が手動で振り込みを行う場合、うっかり支払いを忘れてしまうケースや、故意に支払いを遅らせるケースも少なくありません。
口座振替を導入すれば、あらかじめ指定された日に自動で口座から料金が引き落とされるため、こうした人的ミスや滞納を未然に防げます。結果として、毎月の売上が安定し、キャッシュフローも予測しやすくなります。
集金・管理業務の手間を削減できる
口座振替を導入すれば、毎月発生する入金確認や支払い催促といった集金業務を大幅に削減できます。現金手渡しや現金振り込みの場合、入金確認に時間がかかったり、未払いがある場合には督促の連絡をしたりなど、事務作業に追われるケースも少なくありません。
口座振替であれば、入金処理が自動化されるため、これらの手間が不要になります。また、これまで人手で行っていた集金・管理業務にかかる人的コストや精神的ストレスも軽減され、限られたリソースを本来の業務に集中させることが可能です。
顧客満足度がアップする
利用者にとっても、口座振替は利便性の高い支払い方法です。現金手渡しや銀行振り込みでは、毎月支払いのたびに時間や手間がかかっていましたが、口座振替に変更することで、何もしなくても自動で支払いが完了します。
これにより、支払い忘れによるトラブルを防ぐだけでなく、「手間なく支払いが済んで助かる」「支払いの心配が減った」といった顧客満足度の向上にもつながります。
口座振替サービスを利用するデメリット
便利で効率的な口座振替サービスですが、導入には一定の手間やコストがかかり、運用面でも注意が必要な点があります。ここでは、口座振替を導入・運用する際に考慮したいデメリットについて解説します。
導入・運用に時間や手間がかかる
口座振替サービスを導入するには、まず利用者の同意を得て口座情報を収集し、届出書を準備・提出する必要があります。また、代行業者との契約手続きやシステム連携など、初期段階でやや煩雑な作業が発生します。
運用後も口座情報の変更対応や引き落としエラーへの対処など、一定の管理業務が残る場合もあり、全てが自動化されるわけではない点に留意が必要です。
入金までに日数がかかる場合がある
口座振替では、指定された振替日が過ぎた後、実際に代金が事業者の口座に入金されるまでに、数営業日〜1週間程度のタイムラグが生じることがあります。これは、金融機関や代行会社が引き落とし結果の処理や精算作業に時間を要するためです。
特に、即時の資金化が求められるビジネスや、資金繰りがタイトな事業者は、入金スケジュールを事前に確認し、必要に応じて資金繰りを調整するなど、余裕を持った運用が求められます。
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口座振替サービスを選ぶ5つのポイント
口座振替サービスを提供している代行業者は複数存在し、その機能や費用、対応範囲には大きな違いがあります。導入後に「思っていたのと違った」と後悔しないためにも、代行業者の選定時にはいくつかのポイントを押さえておくことが重要です。ここでは、口座振替サービスを選ぶ際にチェックしたいポイントを5つ紹介します。
1.自社の業種・規模に適したタイプか
口座振替サービスには、小規模・個人事業主向けから、複数店舗や大規模ビジネス対応の法人向けまで、さまざまなタイプがあります。例えば、習い事や士業など少人数の取引が中心であれば、手続きが簡単で初期費用のかからない代行業者がよいでしょう。
一方、定期課金(サブスクリプション)を採用している業種では、回収サイクルの柔軟性や決済データの自動連携に強いタイプを選ぶと効率が上がります。自社の業種や規模を踏まえて検討することが大切です。
2.取引可能な金融機関の多さ
代行業者によって対応している金融機関の数には大きな差があります。大手都市銀行に加え、地方銀行、信用金庫、農協、ネット銀行など、幅広い金融機関に対応しているかを確認しましょう。
また、新しく銀行口座を開設する手間を避けるためにも、既存の口座がそのまま使えるサービスを選ぶのが理想です。事前に「対応金融機関一覧」などを取り寄せて確認しておくと安心です。
3.委託できる業務の内容と範囲
口座振替サービスを選ぶ際は、どこまでの業務を委託できるのかも重要なポイントです。基本的な引き落とし処理だけでなく、顧客データの管理や顧客からの問い合わせ対応など、煩雑な業務を代行してくれるサービスもあります。
こうした機能を活用すれば、担当者の業務負担を大きく軽減できます。また、請求書発行や入金報告レポートの自動作成なども対応していれば、管理業務のさらなる効率化が可能です。自社で対応が難しい業務を外部に任せることで、ミスを防ぎ、全体の運用をスムーズに進められるでしょう。
4.情報管理やセキュリティの信頼性
口座振替サービスは、利用者の銀行口座情報や個人情報を扱うため、高度なセキュリティ対策が求められます。選定時には、情報管理体制や取得している認証(ISMSやプライバシーマークなど)を確認しましょう。データの暗号化、アクセス制限、バックアップ体制、災害時の復旧対策など、システムの堅牢性にも注目が必要です。
万が一の情報漏えいは、信用の失墜や法的責任につながるため、信頼性の高い企業が運営しているか、実績があるかを基準に選びましょう。
5.サポート体制の充実度
導入初期や運用開始後に丁寧なサポートを受けられるかどうかもポイントです。万が一、振替エラーやシステムトラブルなどが発生した際に、迅速かつ丁寧に対応してくれるサービスであれば、安心して利用を続けられます。
特にITに詳しくない事業者や、初めて口座振替を導入する事業者にとっては、導入時の説明や初期設定のサポートがあるかどうかが重要です。電話やメール、チャットなど問い合わせ手段が多いか、対応時間が長いかなど、サポート体制の実態も確認しておきましょう。カスタマーサポートの評判やレビューを調べるのも有効です。
おすすめの口座振替サービス5選|手数料一覧表
口座振替サービスの選び方がわかっても、「数あるサービスの中からどれを選べばよいのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。ここでは、おすすめの口座振替サービスを5つピックアップして紹介します。
サービス名 | 初期費用 | 月額費用 | 振替手数料(請求手数料) |
---|---|---|---|
リコーリース | 0円 | 要問い合わせ ※利用しない場合は0円 |
要問い合わせ |
楽々クラウド決済サービス | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
楽たす回収 | 5,000円 | 3,000円 | 120円/件+入金処理料400円 |
CATS集金代行サービス | 要問い合わせ | 要問い合わせ ※利用しない場合は0円 |
要問い合わせ |
アプラス | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
1.リコーリース
リコーリースが提供する口座振替サービスは、初期費用が0円で、利用がない月は月額基本料も発生しません。全国ほぼ全ての金融機関に対応しており、利用者の利便性が高い点も魅力です。
オプションサービスとして、キャッシュカードを用いて口座登録ができる「ペイジー口座振替受付サービス」や、封書または圧着ハガキが選べる「請求書発行代行サービス」も提供しています。また、口座振替だけでなくコンビニ決済も利用可能です。
集金代行において40年の歴史を持つリコーリースの導入実績は20,000社以上。専用のフリーダイヤル完備で、導入前から導入後まで丁寧なサポートが受けられます。初めての口座振替導入に不安がある事業者や、コストを抑えたい事業者におすすめのサービスです。
2.楽々クラウド決済サービス
NTTファイナンスが提供する楽々クラウド決済サービスは、請求・回収業務の自動化に強みを持つクラウド型サービスです。
情報は全てクラウドで一元管理され、煩雑な紙の申込書や名簿も整理しやすく、業務効率の向上が期待できます。ただし、「請求件数が毎月300件相当を見込めること」という提供条件がある点に注意が必要です。
3.楽たす回収
「楽たす回収」は、シンプルかつ低コストで運用したい事業者向けのサービスです。初期契約料は5,000円、月額基本料金は3,000円で、1件あたりの回収代行手数料は120円(税抜)。
決済手段は口座振替のみですが、1件からでも利用可能なため、小規模事業者にも向いています。Web画面もシンプルで操作しやすく、クラウドベースでどこからでも管理可能です。
参考:楽たす回収
4.CATS集金代行サービス
CATS集金代行サービスは、SMBCファイナンスグループが提供する口座振替サービスです。振替日は「5日、6日、23日、27日」または「8日、26日」から選べ、複数日の設定が可能な点が特徴といえます。
また、オプションも豊富で、口座振替契約をWeb上で完結できる「WEB口座振替受付サービス」や振替案内状などの印刷・発送を代行する「CATS文書サポート」などがあります。
5.アプラス
アプラスの集金代行サービスは、豊富な経験と柔軟な対応力が魅力です。2種類の請求データ作成ツールが用意されており、「e-集金方式」では請求データの作成から依頼までを専用システム内で行い、「s-web方式」では自社で作成した請求データを使用して専用Webサイトから請求を行います。
オプションサービスも豊富なため、自社に適したツールと必要なオプションを吟味して活用しましょう。
まとめ
口座振替サービスは、毎月の定期的な集金業務を自動化し、手間を減らしながら未回収リスクを軽減できる便利なサービスです。しかし、サービスごとに「手数料体系」「対応金融機関の数」「導入時のサポート」など特徴が異なるため、自社の業種や規模、運用体制に合ったサービスを選びましょう。
コストを抑えつつ口座振替を導入したい方は、ぜひリコーリースの口座振替サービスをご検討ください。初期費用0円・利用がない月は月額基本料も発生しません。導入前に、事業内容や請求件数を丁寧にヒアリングし、事業者様ごとに最適なお見積もりを作成します。
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【監修】尾﨑 宗則 リコーリース株式会社 BPO本部長
1999年リコーリース株式会社に入社。
情報システム部や事業統括部門、営業部門の支社長、子会社(テクノレント社)の営業統括本部長など、重要なポストを歴任した後、2025年4月~決済サービスを管轄するBPO本部長に就任。
数々の商品企画やシステム開発に携わり、豊富な経験と実績・幅広い分野の知識を有するゼネラリスト。