口座振替のメリット・デメリット|おすすめの事業者や導入方法を詳しく解説
2022.06.22
2024.12.08
事業を継続するにあたって、決済方法を考えることは重要です。事業者の手間にならない手段を設けないと、面倒な事務作業に時間を割く必要が出てきます。
定期的に発生する支払いにおすすめの決済方法の一つが「口座振替」です。口座振替は、指定した口座から自動的に引き落としを行うシステムで、事業者と利用者の双方にさまざまなメリットをもたらします。
この記事では、口座振替のメリットとデメリットを中心に解説していきます。口座振替に適した事業者や導入方法も解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
口座振替とは
口座振替とは、利用者が登録した銀行口座から、支払い料金が自動的に引き落とされるシステムです。口座振替を導入すると、利用者が決められた支払い日に手続きをする必要がなくなるため、多くの利用者の間で広まっています。
口座振替に向いているのは、毎月料金が発生するサービスです。介護施設の利用料や病院・クリニックの訪問診療費、学習塾などの月謝、賃貸物件の家賃など幅広い分野で採用されています。
よく似ている言葉に「口座振込(銀行振り込み)」があります。ただ、振込は「定められた口座にお金を振り込む」という意味なので、利用者自身で手続きをしなくてはなりません。利用者の口座から決められた日に何もしなくてもお金が引き落とされていく口座振替とは違う方式です。
口座振替と口座振込(銀行振り込み)の詳しい違いについては、以下の記事もご参照ください。
【事業者側】口座振替のメリット
口座振替を導入することで、事業者側には以下のようなメリットが期待できます。
・未払いリスクを低減できる
・利用者の継続利用率が向上する
・幅広い利用者層に対応できる
・売上が向上する
ここでは、それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
未払いリスクを低減できる
銀行振り込みや現金支払いの場合は、利用者自らが支払いを行う必要があります。その結果、事業者は利用者が契約を守ってくれること前提で支払い日を待たなくてはなりません。もし、利用者に急な用事ができたり、支払いを忘れたりすれば売上を回収できない場合もあります。
一方、口座振替にしておけば、利用者の都合を気にする必要はありません。利用者が家事や仕事で忙しかったとしても、口座にお金さえ入っていれば自動的に支払いが完了するため、未払いのリスクが低減されます。回収率が高くなれば、事業者の経営も安定するでしょう。
また、回収率向上にともなって各種コストが軽減されるのもメリットです。支払いを催促するために行っていた作業がなくなり、催促のハガキなどを用意する費用もかかりません。従業員も生産的な業務だけに集中できます。
利用者の継続利用率が向上する
利用者は毎回の支払いを面倒だと感じていることが少なくありません。また、支払いのタイミングで、契約そのものを見直そうとすることもあるでしょう。そのようなタイミングで、他に魅力的なサービスを見つければ、サービスを乗り換えてしまう場合もあります。
口座振替を導入すれば、普通に生活するだけで口座から料金が引き落とされていくので、利用者が支払いを意識する必要がありません。支払い手段に大きな不満を抱かないので、サービスを継続・更新される可能性が高まります。
幅広い利用者層に対応できる
幅広い利用者層に対応できるのも、口座振替のメリットです。例えば、クレジットカード払いのみに対応しているサービスの場合、クレジットカードを持っていない方は決済ができず、利用を諦めてしまうこともあります。また、クレジットカードを持っていても、インターネット上で情報を登録するのは不安なため避けたいという方もいるでしょう。
口座振替なら、銀行口座を持っていれば利用できるため、利用者層の拡大が期待できます。特に、クレジットカードの所持率が低いとされる高齢者や学生をターゲットとしたサービスには、口座振替がおすすめです。
売上が向上する
利用者がストレスなくサービスの利用を続けていれば、継続的に売上がもたらされる状態です。また、決済方法は新しい利用者を獲得する際にも影響します。適切な決済方法が用意されていないと、利用者は購入そのものを考え直すことさえあり得るのです。
特に、商品やサービスを定期購入したい利用者ほど、決済が便利に行える事業者を探しています。何度も手間のかかる支払いに追われ、スケジュールを割かれたくないと考えるためです。口座振替という利用者の負担のかからない決済方法があれば、契約率の向上につながり、売上も増加していくでしょう。
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【利用者側】口座振替のメリット
口座振替は、事業者だけでなく利用者にも多くのメリットがあるため、人気の高い決済方法です。ここでは、口座振替における利用者側のメリットを紹介していきます。
支払いの手間や手数料の負担がなくなる
口座振替なら、仕事や家事の合間をぬって、支払いのためだけにATMや銀行に足を運ぶ必要がありません。育児や介護など、家を出られない理由がある方でも手軽に利用しやすい決済方法です。
また、銀行振り込みの場合、1件ごとに数百円程度の振込手数料が発生します。振込手数料は利用者側が負担するケースが大半のため、振り込み回数が多くなるほど、手数料の負担も大きくなります。口座振替では、手数料は事業者側が負担するのが一般的なため、振込手数料の負担が減るのも大きなメリットです。
また、クレジットカード払いで、個人情報が流出しないかと不安がある方にとっても、口座振替は安全なシステムだといえるでしょう。
支払い忘れ・間違い・遅延の心配がない
「支払い日に合わせて予定を空けられなかった」「他の予定が詰まっていてうっかり支払いを忘れてしまった」ということもあり得るでしょう。支払いを忘れた場合、延滞金などのペナルティが科せられるのも問題です。
口座振替にしておけば、口座から自動引き落としが繰り返されるので、支払い日を気にしていなくても遅延が起こることはありません。また、支払い先や支払い額を間違える心配がないのも、口座振替のメリットです。
クレジットカードを使う必要がない
定期的に支払いを続けるため、クレジットカードを利用する方もいます。ただし、クレジットカードは高齢者の方には契約が難しく、所持率が全年代で高いわけではありません。また、さまざまな事情からカードそのものを作成できない場合もあるでしょう。
口座振替はクレジットカードを所持していない方に使い勝手がよいだけでなく、対応している金融機関についてもメリットがあります。都市銀行や全国の地方銀行はもちろん、ゆうちょ銀行やネットバンキングから引き落としてもらうことも可能です。
口座振替のデメリット
事業者と利用者の双方にメリットがあるものの、口座振替にデメリットがないわけではありません。どのようなデメリットがあるのかとその対策を覚えておき、導入の参考にしましょう。次は、主なデメリットと対策を紹介します。
事業者側の運用の煩雑さ
口座振替は導入までの手続きが煩雑である点がデメリットといえます。初回の引き落としを行うにあたり、口座振替依頼書を金融機関または代行業者に提出しなくてはなりません。
口座振替依頼書には、引き落としをする口座情報と届出印が必須です。この依頼書は細かい内容を記入する必要があり、間違いがあると銀行の手続きが進みません。
口座振替依頼書の不備で最も多いのは、「印鑑相違」と言われています。利用者が口座振替依頼書に捺印した印鑑が、銀行の開設時に届け出た印鑑(届出印)なのか、捺印漏れがないかを提出前に再確認してもらうように案内することが、スムーズな口座登録につながります。
利用者と対面しないビジネスであれば、郵送などで引き落としに関するやり取りを行わなくてはなりません。その間は口座振替以外の決済方法を頼るしかないので、事業者の負担は大きくなっていきます。できる限りスムーズに、申し込み手続きを完了させられるかがポイントです。
口座振替依頼書の不備や手続きの煩雑さを低減する方法として、ペイジー口座振替受付サービスがあります。このサービスは、キャッシュカードをPay-easy対応端末で読み取り、暗証番号を入力するとその場で口座振替に必要な手続きが完了するサービスです。印鑑相違や口座振替依頼書の不備がなくなりますので、事務作業の効率化を図ることができます。
※「口座振替サービス」のオプションサービスになります。
未回収リスクの発生
口座振替の場合、回収率が100%になるとは限りません。他の決済方法よりも回収はしやすくなるものの、利用者の事情によって引き落としがなされないことはあり得ます。例えば、口座に十分なお金が残っていなければ、支払い日が来ても自動で回収はできません。
もし先払いにしておけばこのリスクは少なくなります。ただ、後払い方式を採用しているサービスであれば、商品を送ってから引き落とすのでリスクは常につきまといます。
残高不足による未回収を防ぐには、振替日の設定が重要です。利用者の給料日の直後など、金銭的余裕があるタイミングで引き落としを行えば、未回収のリスクを低減できるでしょう。
口座振替に適している事業者
毎月の支払いが必要な「月謝やサービス料金」は、口座振替に適しているジャンルです。以下のようなサービスでは、特に口座振替の導入をおすすめします。
・介護施設の利用料
・病院・クリニックの訪問診療費
・学習塾やカルチャースクール、ジム等の月謝
・小中学校での各種費用(教材費や給食費など)
・賃貸物件の家賃
具体的な導入事例については、以下の記事もご参照ください。
▼事業者別関連情報
関連記事:介護サービスの利用料を口座振替に!口座振替の導入方法や注意点について
関連記事:学習塾や習い事の受講料を口座振替にしたい!メリット・注意点と導入方法
関連記事:家賃・賃料・管理費を口座振替で回収!自動引き落としのメリットと導入方法
口座振替の導入方法|費用や注意点は?
口座振替の導入方法は大きく分けて2通りです。
・金融機関と個別に契約する方法
・代行業者の口座振替サービスを利用する方法
金融機関と個別に契約する場合、金融機関ごとに申し込みや審査が必要です。利用者の利便性を考えると複数の金融機関に対応する必要があり、かなりの手間がかかるため、あまり現実的ではありません。
口座振替は、代行業者に依頼して導入するのが一般的です。代行業者と契約すると、一度に複数の金融機関に対応できます。
ここでは、代行業者を利用する際の口座振替の導入手順や費用、注意点を紹介していきます。
口座振替を導入する際の流れ
代行業者を利用して口座振替を導入する流れは以下の通りです。
1. 代行業者を選定し、必要書類を提出して書類審査を受ける
2.審査に通過したら、契約条件などを確認して代行業者と契約締結する
3.契約締結後、代行業者から口座振替依頼書を受け取り、利用者に送付する
4.利用者に口座振替依頼書へ記入・捺印してもらう
5.記入・捺印済みの依頼書を代行業者に提出する
6.顧客情報、請求情報等の登録が完了したら、口座振替がスタート
導入にあたって、ミスが起こりやすいのが口座振替依頼書への記入・捺印です。記載事項に間違いがあると書類が差し戻されて書き直しを要求され、手続きにさらに時間がかかります。口座振替依頼書を送付する際は、正確な情報を書くように顧客にお願いするのがよいでしょう。捺印漏れや印鑑相違なども起こりやすいため、代行業者への提出前に確認を行います。
口座振替の申請が問題なく進めば、利用者の口座からお金が引き落とされます。初回は、問題なく引き落としが実行されているか、振替結果を確かめましょう。
口座振替の導入で発生する費用
口座振替の導入で発生する費用には、以下のようなものがあります。
・初期費用
・月額基本料
・振替手数料(請求手数料)
・振込手数料
初期費用には、導入にあたってのサポート費用や初期設定費用などが含まれます。中には初期費用無料の代行業者も存在します。
月額基本料は、口座振替の件数などにかかわらず、代行業者に毎月支払う料金です。月額基本料が無料、もしくは利用しない月の料金が無料といったケースもあり、代行業者によって差が出やすいポイントです。
振替手数料(請求手数料)は、代行業者が事業者の代わりに代金を回収することに対する手数料で、1件の請求ごとに発生します。
その他、回収した代金を事業者の口座に振り込む際の振込手数料、口座振替依頼書の購入手数料、オプション費用なども発生します。料金体系は代行業者によって異なるため、サービス利用時にどの程度のコストがかかるのか、事前に確かめておくことが大切です。
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口座振替を導入するときの注意点
口座振替を導入するときは、実際に導入できるまでの期間を知っておく必要があります。審査や口座振替依頼書の記入・捺印などに時間がかかるため、申し込みから利用開始まで2ヶ月程度かかるのが一般的です。余裕を持ったスケジュールで導入を進めましょう。
また、代行業者によって料金体系やサービス内容が異なります。料金体系が自社に適しているか、サポート体制が充実しているかどうかを詳しく確認しましょう。
利用者の個人情報を提供する関係上、代行業者のセキュリティに不備があれば重大な問題に発展しかねません。セキュリティ対策についても確認し、豊富な実績がある信用できる代行業者を選ぶことが大切です。
口座振替について十分な理解を得てから導入に踏み出そう
口座振替の導入によって、未払いリスクの低減や利用者の継続率向上、利用者層の拡大といったメリットが期待できます。導入前には、口座振替のメリットだけでなくデメリットや注意点も十分に理解してから検討することで、集金業務の手間を大きく省けるでしょう。
口座振替の導入には、代行業者の利用がおすすめです。料金体系やサービス内容を比較して、自社に最適な代行業者を選びましょう。
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