集金代行とは?費用・選び方・集金代行サービス比較まで全解説
2025.07.09
2025.07.09
請求業務や入金確認、未払いへの督促など、日々の「集金業務」に悩まされる事業者は少なくありません。特に、定期的な支払いが発生する業種や、請求件数が多い事業者にとって、集金作業は大きな負担となります。しかし、集金代行サービスを活用すれば、日々の請求・回収業務を効率化することが可能です。
この記事では、集金代行サービスの仕組みやメリット、費用の目安、サービス選びのポイントなどを解説します。おすすめの集金代行サービスも紹介しているため、「請求・回収にかける時間を削減したい」「ミスなくスムーズに入金管理したい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
集金代行サービスとは?
代行業者が利用者から料金を回収し、事業者の口座へまとめて入金するのが「集金代行サービス」です。ここでは、集金代行サービスの仕組みや効率化できる業務、活用事例について解説します。
集金代行サービスの仕組み
集金代行サービスの基本的な仕組みは、事業者と利用者の間に代行業者が入り、集金業務を担うというものです。具体的には、代行業者は事業者が指定した金額を利用者から回収し、全ての利用者のお金をまとめて事業者の口座に振り込みます。
請求書発行代行サービスがある代行業者であれば、請求書の送付から回収したお金の入金までを一貫して依頼できるため、集金業務の負担を大きく減らせる点がメリットです。
また、多くのサービスでは、口座振替やコンビニ決済など複数の決済手段に対応しており、顧客満足度向上にも期待できます。督促業務を委託できるサービスもあります。
集金代行で何が変わる?効率化できる業務一覧
集金代行サービスの導入により、以下のようなさまざまな業務が効率化できます。
業務内容 | 集金代行導入前の課題 | 集金代行導入後の改善点 |
---|---|---|
請求書発行 | ・手作業での発行の手間 ・ミスや漏れのリスク |
・自動発行による工数削減 ・正確な請求管理 |
入金確認 | ・毎日の銀行確認や帳簿照合が必要 | ・自動で確認・通知 ・入金確認までの時間短縮 |
未支払い時の督促 | ・電話や郵送での督促が手間 | ・自動リマインド ・督促による回収率アップ |
会計処理 | ・バラバラな入金で処理が煩雑 | ・一括入金による消込作業の簡素化 |
上記のように、集金にまつわる一連の業務が自動化・効率化され、ヒューマンエラーのリスクも低減します。そして、従業員の時間を注力したい業務に割り当てることが可能になります。
集金代行サービスの導入・活用事例【業種別】
集金代行サービスは、業種によって活用方法やメリットが異なります。以下の表は、代表的な業種別の活用事例とその利点をまとめたものです。
業種 | 活用シーン | 導入のメリット |
---|---|---|
介護・医療 | 施設利用料・訪問診療費の集金 | ・利用者の支払いの手間を削減 ・継続利用率アップ |
学習塾 | 月謝や教材費の集金 | ・保護者との金銭トラブルを防止 ・事務作業を大幅削減 |
スポーツジム | 月額会費の集金 | ・入金忘れを防止 ・安定した収益確保 |
小学校 | 給食費や教材費の集金 | ・保護者の支払い方法の選択肢を広げる ・信頼性の向上 |
賃貸経営 | 家賃の集金 | ・未回収リスクの軽減 ・集金コストの削減 |
集金代行サービスは、継続的な支払いが発生する業種で特に導入効果が高く、安定したキャッシュフローの確保にもつながります。
集金代行を導入するメリット
集金代行サービスを導入することで、請求から料金回収までを一元化でき、業務効率の向上とコスト削減が実現します。また、支払い方法の選択肢が広がることで顧客満足度も向上し、継続利用にもつながります。以下で、主なメリットを詳しく見ていきましょう。
請求・回収フローの効率化
事業者が行う請求・集金業務は、請求書の作成や郵送、入金の確認、帳簿との照合、未払い者への対応など、手間のかかる作業がほとんどです。これらの作業を全て社内で処理するとなると、人的コストがかかるだけでなく、ミスや漏れが発生するリスクも無視できません。
集金代行サービスを活用すれば、請求・回収フローが効率化され、担当者の作業時間を大幅に削減できます。結果として、社内のリソースを本来注力すべき業務に振り分けることが可能になり、事業全体の生産性向上にもつながります。
未回収リスクの軽減
売上が確定していても、入金がされなければキャッシュフローは安定しません。特に月額料金や後払いを取り入れているビジネスでは、未回収が経営上のリスクとなるケースもあるでしょう。
その点、集金代行サービスでは、口座振替やコンビニ決済といった回収率アップにつながる決済手段を利用して集金を行うため、現金集金と比較して未回収リスクの軽減が期待できます。また、代行業者によっては、未収金保証や与信管理を行っており、経営の安定化につながります。
顧客ニーズに合わせた支払い方法で利便性アップ
利用者のライフスタイルや好みに合った支払い方法を提供できることは、継続的な関係を築く上で重要です。集金代行サービスでは、主に以下のような多様な決済手段に対応しています。
- 口座振替
- コンビニ決済
- スマホ決済(PayPayなど)
複数の支払い方法を提供することで、「支払いのためにATMに行くのが面倒」「忙しくて銀行の営業時間内に支払いができない」といった顧客ニーズに柔軟に対応でき、利便性や満足度、サービス継続率の向上にも期待できるでしょう。
集金代行を導入するデメリット
便利でメリットが多い集金代行サービスですが、導入には注意点もあります。多くの業務を委託できる分、コストや情報管理の観点でリスクを把握しておくことが大切です。集金代行サービスのメリット・デメリットを比較し、導入するかどうか慎重に検討してみてください。
サービス利用料がかかる
集金代行サービスの利用には、初期費用や月額基本料、集金件数に応じた手数料など、一定のコストがかかります。取引件数が増えるほど手数料がかさむこともあり、小規模な事業者にとっては負担が大きく感じられることもあるでしょう。
また、オプションで請求書の発行代行や督促対応などを追加した場合、別途料金が発生するケースもあるため、費用対効果をしっかりと見極める必要があります。単に「便利だから」と導入するのではなく、自社の収益構造に合った料金体系かどうかを検討することが不可欠です。
情報漏えいのリスクがある
集金代行サービスでは、利用者の個人情報や決済情報を外部の業者に委託することになります。利用者の氏名、住所、電話番号、銀行口座番号、クレジットカード情報など、機密性の高い情報を扱うため、情報漏えいのリスクに注意が必要です。
万が一、業者のセキュリティ対策が不十分であった場合、情報の流出や不正利用といった深刻な問題に発展する可能性も否めません。
そのような事態を防ぐためには、導入前に代行業者のセキュリティ対策を十分に確認し、ISMS認証やプライバシーマークなどの第三者認証を取得しているかどうかをチェックすることが大切です。また、契約内容に含まれる個人情報保護の取り決めも、しっかりと精査する必要があります。
集金代行サービスの利用にかかる費用・手数料
集金代行サービスを導入する際には、一定のコストが発生します。費用体系は業者によって異なりますが、主なコストには「初期費用」「月額基本料」「振替手数料(請求手数料)」などが挙げられます。
また、利用するオプションによって追加料金がかかる場合もあるため、事前の確認が重要です。以下は、一般的な費用項目と相場をまとめた表です。
項目 | 内容例 | 相場(目安) |
---|---|---|
初期費用 | サービス導入時にかかる費用。システム設定や登録料などが含まれる | 無料〜数万円程度 |
月額基本料 | 契約を継続するための固定費。件数に関係なく毎月発生する | 無料〜数万円程度 |
振替手数料(請求手数料) | 請求1件ごとに発生する費用。決済手段によって金額が異なり、「回収手数料」とも呼ばれる | 1件あたり数百円程度 |
振込手数料 | 利用者から回収したお金を事業者の口座に振り込む際に生じる費用 | 1回あたり数百円程度 |
オプション料金 | 有料オプションを利用する際の追加費用 | – |
集金代行サービスを選ぶときは、自社の取引件数や業務内容に合った費用設計になっているかを重視しましょう。無料トライアルや見積もりが可能な業者もあるため、導入前に比較検討することで無駄なコストを避けられます。
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集金代行サービス選びで押さえておきたい4つのポイント
集金代行サービスのサービス内容や費用、サポート体制などは業者によってさまざまです。適切な業者を選ばなければ、「コストばかりがかかり、逆に手間が増える」という事態にもなりかねません。ここでは、集金代行サービスを選ぶ際に押さえておきたいポイントを4つ紹介します。
サービス内容が自社に合っているか
集金代行サービスを選ぶ際は「提供される機能や仕組みが自社のビジネスモデルにマッチしているかどうか」を確認しましょう。なぜなら、集金の形態や業務フローは業種・事業規模によって大きく異なるためです。
例えば、毎月定額料金を請求する学習塾やフィットネスクラブでは、口座振替のように集金を自動化できるサービスが適しています。
一方、ECサイトなど請求金額が都度異なる業種では、コンビニ決済のような「都度請求型」に強い柔軟なサービスを選ぶのがポイントです。柔軟に金額や支払期日を設定できれば、より便利に利用できます。
決済手段は豊富か
多様な支払い方法に対応していると、利用者の利便性を高められます。また、若年層やテクノロジーに慣れた世代を対象とするサービスでは、キャッシュレスへの対応がないと機会損失につながることもあります。集金代行サービスを選ぶときは、どのような決済手段があるのかをチェックしてみてください。
導入実績が豊富であるか
多くの導入実績を持つサービスは、それだけ多様な業種や業態に対応してきたノウハウが蓄積されており、信頼性が高いといえます。また、公式サイトなどで「導入事例」や「お客さまの声」が公開されている業者は、実際の運用イメージがつかみやすく、比較検討にも役立ちます。
特に、自社と同業種の事例が掲載されている場合は、同様の課題が解決できる可能性が高いため、安心して導入に踏み切る判断材料となるでしょう。
導入後のサポート体制は十分に整っているか
集金代行サービスは導入して終わりではなく、スムーズに運用できるかどうかも重要です。例えば「トラブル発生時に迅速な対応が受けられるか」「マニュアルやFAQが整備されているか」「専用の担当者がつくのか」など、サポート体制の充実度によって利便性に大きな差が出ます。
特に初めて導入する場合や、社内に専門知識のあるスタッフが少ない場合には、手厚いサポートがある業者を選ぶとよいでしょう。
おすすめの集金代行サービス5選【比較表あり】
集金代行サービスの選び方を理解しても、いざ業者を選ぶ際には迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。集金代行サービスによって、それぞれ強みや対応可能な業種、サポート体制、費用構造が異なります。そのため、単に有名なサービスを選ぶのではなく、自社の業務にマッチしたサービスを選ぶことが重要です。
ここでは、おすすめの集金代行サービス5選とそれぞれの特徴を紹介します。
サービス名 | 料金体系 | 対応決済手段 | 導入実績 | サポート体制 |
---|---|---|---|---|
リコーリース | 初期費用0円、使わない月は基本料0円 | ・口座振替 ・コンビニ決済 |
20,000社以上 | フリーダイヤル完備、電話サポート |
サブスクペイ | 要問い合わせ | ・口座振替 ・銀行振り込み ・クレジットカード決済 ・コンビニ決済 ・アプリ決済 |
14,000社以上 | カスタマーサポートセンターあり |
JACCS | 要問い合わせ | ・口座振替 ・コンビニ決済 |
– | 商品ごとの専用窓口を設置 |
アプラス | 要問い合わせ | ・口座振替 ・コンビニ決済 |
20,000社以上 | 専門スタッフによるフォロー・サポート |
電算システム | 要問い合わせ | ・口座振替 ・コンビニ決済 ・クレジットカード決済 ・アプリ決済 |
5,000社以上 | 専門サポートチームによるフォロー |
1.リコーリース
導入実績20,000社を超えるリコーリースの集金代行サービスは、「初期費用0円、月額基本料も利用がなければ無料」という導入しやすい料金体系が特徴です。小規模事業者やスタートアップなど、初期投資を抑えたい事業者に特に向いています。
また、「口座振替」と「コンビニ決済」の両方に対応した決済手段の柔軟さも強みで、スマホ決済アプリとの連携により利用者は自宅にいながら支払いが可能です。支払い忘れや未納リスクの軽減に期待できます。
オプションサービスである「ペイジー口座振替受付サービス」は、キャッシュカードと暗証番号の入力だけで口座登録手続きが完了する利便性があり、従来の紙による口座振替依頼の煩雑さを解消できます。請求書発行代行サービスもあり、バックオフィス業務の効率化を目指す事業者にもおすすめです。
2.サブスクペイ
サブスクペイは、定期課金・サブスクリプションモデルのビジネスに適した決済代行サービスです。14,000社以上の導入実績があり、信頼性も高いといえます。
主な特長は、決済機能と顧客管理がシームレスに連携されている点です。一度の契約・入力で継続課金が自動化され、運用工数が大きく削減できます。クレジットカード、口座振替、コンビニ決済といった多様な決済手段に対応しており、あらゆる顧客ニーズに応えられる柔軟性があります。
参考:サブスクペイ
3.JACCS集金代行サービス
JACCSは、口座振替とコンビニ決済に対応した集金代行サービスで、家賃保証などの周辺サービスを包括的に提供している点が特徴です。Web上で口座振替の手続きができるため、利用者の負担を軽減しつつ、印鑑相違などの不備の発生を最小限に抑えられます。
口座振替依頼書の記入代行や案内文の発送代行など、実務レベルでのサポートが充実しているのも魅力です。ただし、利用には請求件数などの条件があるため、事前確認を行いましょう。
4.株式会社アプラス
株式会社アプラスは、業界40年の歴史を持つ集金代行サービス会社です。回収・督促業務の代行に加え、未払い時の一次立替サービスがあり、入金トラブルによるキャッシュフローの悪化を防げます。
さらに、家賃サービス「プラス」(W)というサービスも提供しており、与信審査から家賃集金、督促までを一元管理したい不動産会社にもおすすめです。
5.株式会社電算システム
株式会社電算システムは、導入実績5,000社以上、年間2.5億件を超える決済を行う集金代行サービスです。
コンビニ決済、口座振替、クレジットカード、スマホ決済など、あらゆる決済手段に対応しており、商材や業種を問わず活用可能です。サポート体制も万全で、専用のサポートチームによる導入支援と稼働後のフォローを提供しています。
参考:株式会社電算システム
集金代行ならリコーリース!
コストパフォーマンスと利便性を重視する場合は、リコーリースの集金代行サービスがおすすめです。初期費用が0円、利用がない月は月額基本料が発生しないという柔軟な料金体系に加え、口座振替・コンビニ決済が選択できるため、幅広い顧客ニーズへ対応できます。
また、ペイジー口座振替受付サービスや請求書発行代行サービスといったオプションにより、面倒な事務作業を削減でき、人的リソースの有効活用にもつながります。「費用を抑えつつ効率よく集金したい」「キャッシュレスにも対応したい」という事業者は、ぜひご活用ください。
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集金代行に関してよくある質問
集金代行サービスについて、まだ疑問や不安のある方も多いのではないでしょうか。安心感を持ってサービスを利用するためにも、事前に気になる点は解消しておくことが大切です。ここでは、集金代行サービスに関するよくある質問と回答を3つ紹介します。
集金代行と収納代行の違いは?
集金代行と収納代行は、どちらも「代金回収を代行するサービス」という点で違いはありません。2つのサービスの違いは、利用できる決済手段です。集金代行は口座振替・コンビニ決済、収納代行は主にコンビニ決済のみを取り扱います。導入したい決済手段に合わせてサービスを選定しましょう。
申し込みから導入までにどのくらいの期間がかかりますか?
代行業者や審査状況にもよりますが、申し込みから導入開始までの期間は、口座振替で約2ヶ月、コンビニ決済で約1ヶ月半が目安です。スケジュールには余裕を持って申し込みを行い、もし「いつまでに導入したい」といった希望がある場合は、事前に代行業者へ相談しましょう。
個人事業主でも申し込みはできますか?
集金代行サービスは個人事業主でも申し込み可能です。ただし、中には業種や規模に制限を設けている代行業者もあるため、事前に確認しましょう。
まとめ
集金代行サービスは、利用者からの代金回収を代行してもらえるサービスです。業務効率化・人的リソース削減・回収漏れ防止など多くのメリットがあります。利用する際は、サービス内容や手数料、決済手段などを比較検討しましょう。
「できる限りコストをかけずに集金代行サービスを利用したい」といった場合は、リコーリースがおすすめです。初期費用はかからず、サービスを利用しない月は月額料金も発生しないため、売上が季節によって変動するビジネスにも適しています。導入・運用も丁寧にサポートするので、ぜひご利用ください。
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【監修】尾﨑 宗則 リコーリース株式会社 BPO本部長
1999年リコーリース株式会社に入社。
情報システム部や事業統括部門、営業部門の支社長、子会社(テクノレント社)の営業統括本部長など、重要なポストを歴任した後、2025年4月~決済サービスを管轄するBPO本部長に就任。
数々の商品企画やシステム開発に携わり、豊富な経験と実績・幅広い分野の知識を有するゼネラリスト。